建築と木のものづくり

街で伐られてしまう木を活かす。檜と杉の本当の魅力を提示する。いまここにあるものでつくる、私たちのこの時代、この土地ならではのものづくり。

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飛騨の伝統工芸師さんの工房見学  

8月の高山出張の際、飛騨春慶塗(漆器)の木地師さん(漆を塗る前の木を加工する職人さん)の工房を何件か見学し、色々と教えて頂くことができました。

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工房を訪ねてみてまず驚くのが、工房の狭さ。普通の家の普通の部屋程度の広さです。
郊外に仕事場を構えている方ももちろんいらっしゃるのですが、普通に観光客がうろついているくらいの街の中心部の自宅で仕事をされている方もいます(そう言えば、去年私が住んでいた高山の家の裏も、もう廃業されていましたが春慶塗の木地師さんの家でした)。そうしたところでは、6畳程度の小さなスペースに、昇降盤と手押し、自動、バンドソー、円盤、集塵機など大きな木工機械が詰め込まれているのです。付随したスペースに材料置き場などもあるとは言え、普通に職住一体で、家具などを作っている工房のイメージからすると驚くべき狭さです。
木工の機械は結構な音を出すのですが、伝統工芸師、ということで、役所からもお墨付きを得られていて、近所からクレームが来たりはしないのだそうです。

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最初の写真は箱物の、2枚目の写真は挽き物専門の職人さんの工房です。

いきなりの訪問にもかかわらず、どの方も本当に親切に応対して下さいました。仕事や作品を見せて頂いたり、私が作っているもののいくつかを見て頂いたり。「ほんとは教えないんだけどね〜」と言いながらも、色々と教えて下さいました。限られた時間ではありましたが、それでも目から鱗の発見が幾つもありました。

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こちらもやはり挽き物専門の職人さん。御年80余歳。

色々とお話しを伺っていて一番に感じたのは、やはり木工系と建築系の文化の違いということでした。
木工系だの建築系だのという概念は私の勝手な分類なのですが、
同じ木を加工する人間であっても、そのバックボーンにある文化には違いがあるということ、
その違いをごくおおざっぱに表現するならば、木工系と建築系、という感じかなぁということです。

「木工系」と私が勝手に言っているのは、どちらかというと欧米にルーツがある洋風家具製作やクラフトに学んだ方々とそのバックボーンにある文化。
「建築系」と私が勝手に言っているのは、どちらかというと日本建築の伝統にルーツがある大工や建具職人の文化。

私はずっと建築系の文化のなかにいましたので、昨年、高山で生活しながら木工系の方々と交流したり教えを受けたりするなかで、その文化の違いに驚かされることが多々ありました。

両者の違いは言い出すといろいろとあるのですが、大きなところを上げると、刃物で仕上げるかヤスリで仕上げるか。建築系はカンナなど刃物で仕上げるのが基本で、大工さんや建具職人はたくさんのカンナを持っています。それに対して、欧米の家具職人やクラフトマンは、驚くほどたくさんのヤスリやサンドペーパーを持っていて、これを駆使して木を仕上げます。

刃物かヤスリか、ということとも無関係ではないのですが、使用する材も、ひのきや杉、サワラなどの針葉樹をメインに扱う建築系と、広葉樹をメインに扱う木工系、という違いもあります。

違いを挙げ出すとまだまだいろいろとあるのですが、きりがないのでこの話しについてはまた今度改めたいと思います。

春慶塗の木地師さん達の考え方や仕事の仕方を聴いていると、日本のものなのですから当然と言えば当然ですが、やはり「建築系」でした。どちらが良いとか優れているという話でもないですが、このところは「木工系」の文化に浸かっていたこともあり、木地師さん達とお話しさせて頂くのはとても刺激的でした。
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category: 木工・製作

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高山での木材購入(その2)  

高山での木材購入(その2)

こちらはイチョウ。全く予定してはいませんでしたが、あんまり綺麗だったので衝動買い。
イチョウは狂いにくいことから、碁盤や漆器の木地、あるいはまな板などに良く使われます。私も、漆器ではありませんが、やはり器にしようと目論んで購入しました。厚みは50mmあり、相当大きなお皿も作れそうです。

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ウワミズザクラ、飛騨地方ではホエビソと呼ばれています。
桜の一種ですが、ソメイヨシノのような花とは異なり、ブドウのようにひとつの房に鈴なりに小さな花が咲き、実もサクランボ状ではなくぶどう状に付きます。

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古くは古事記の中にも登場する木で、吉兆を占う儀式に使われていました。現代でも天皇即位に関する儀式で使われているそうです。「ウワミズ」とは「ウワミゾ」が変化したもの、宮中で占いの際に溝を掘って使用したことから来ています。

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上の写真の木がウワミズザクラ、これは高山ではなく東京の檜原村で撮影したものですが、多くの桜類とは異なり、かなり真っ直ぐに成長していることが分かります。

材質としては、粘りがあって割れにくく、強度もあって狂いにくい良材。
しかしながら、ブラックチェリー(外国産材)のように筋状の黒い部分が沢山入るので、ちょっと好みが分かれます。ちょっとうるさいと感じる方もいるのではないかと思います。
なので、面で使うような使い方ではなく、線で使うような使い方の方が向いているのではないかと思います。近々、お箸をこれで作ってみようと高山にいる仲間と一緒に動いています。軽く強度があって粘り強く狂いにくい、更には色も魅力的、散孔材で大きな導管の穴がないので水気も吸いにくい。まさにお箸に最適ではないかと思うのです。

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今回はこの他にも、板屋楓(ほとんどはあまり良くないものでしたが、一部良いものがありましたのでそれだけ確保)、ブラックウォルナット、山桜、鬼胡桃などを少しずつ入手しました。

(続く)

category: 木材

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高山出張(材料購入その1)  

今月もまた、高山に出張して参りました。今回は木材購入編(その1)
あまりにも忙しすぎてそんなに写真を撮っていなかったのですが、、、

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今回のお目当ては、なんと言ってもこのミネバリ。
実は半年以上前に、天然乾燥の場所に置いてあるのを見つけて、以来、密かに狙っていた物です。
マニアック過ぎる珍しい木材(大変な希少材)で、木工家でも知っている人の方が稀だと思います。
別名が「オノオレカンバ」(斧が折れるほど堅いカバ)と言うことからも伺えるように、極めて堅く、重厚な材質です。木曽のあたりでは、高級な櫛(くし)の材料にされています。

一部の図鑑などではミズメザクラと混同されているものがありますが、別の種類。
木材としても色味が異なり、ミネバリの方が赤身が強い印象です。
 
年に0.2mmくらいしか育たないと言われていますが、購入した材は、最大で50cm近くありました。
一体どのくらいの時を経てここまで大きくなったのでしょうか。

この材の一部は、飛騨春慶(漆)の木地師さん(伝統工芸師)のところへ持って行き、
出張前に準備しておいたデザインをもとにして、一緒にお皿の試作を行いました。

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こちらはミズメザクラ。
サクラと名前が付いているのは、桜に似ているからですが、カバの木の一種です。
ミネバリと材質は似ていますが、少し白っぽいです。
辺材(外側に近い部分)に虫食いが散見されたミネバリでしたが、こちらのミズメは欠点が少なく、
歩留まりが良さそうです。

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↑ミズメの丸太。桜類と似ています。
ミズメを見分ける簡単な方法は、ちょこっと皮を剥いてみること。
湿布の匂いに近い、良い香りがするのです。


(続く)

category: 木材

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