建築と木のものづくり

街で伐られてしまう木を活かす。檜と杉の本当の魅力を提示する。いまここにあるものでつくる、私たちのこの時代、この土地ならではのものづくり。

スポンサーサイト  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

tb: --   cm: --

マンション建設現場の楠木を回収しました  


クスノキ並木の一部がマンション建設で伐採されているとの情報が、現場の近所に住むマチモノ会員の方から入りました。急いで見に行くと、既に上の部分の伐採が終了し、主たる幹のみが残されている状態でした。

cyofuKusunoki01.jpg

現場監督さんとお話しをさせて頂き、回収の許可を頂き、その上でできるだけ木材として使える状態に伐採して頂くようにお願いしたり、伐採の日取りや当日の段取りなどの打合せを行いました。また並行して、運搬のためのトラックとドライバーさんの手配と製材所の受入の手配も行います。

cyofuKusunoki02.jpg

工事現場での伐採木の回収では、どうしても工事の工程を滞りなく進める事が優先されるので、こちらの都合で引取の日程を組むことは難しく、大抵はほとんど幅のない指定された日時に合わせなければなりません。もちろん当日の作業も、工事の進行の妨げにならぬよう速やかに行います。

cyofuKusunoki03.jpg

楠木からは防虫剤の原料となる樟脳が採れるのですが、さすがの抗菌力、どの木も腐れなどの痛みはほとんど見られませんでした。街の木では、木にダメージを与える剪定が行われていることが多く、往々にして材に痛みが見られるものですが、痛みがないのはとてもありがたいことです。

cyofuKusunoki04.jpg

今回回収した木々は樹齢30年前後、というところでした。楠木は成長が早い木で、都市部の公園などでも、今回のものよりも遙かに大きな巨木に成長している木々がたくさん見られます。

cyofuKusunoki09.jpg

楠木の巨木は「保存樹木」に指定されたりもしているのですが、これには問題もあります。この問題は都市部ならではのものですが、大雪や強風による枝の落下など、大きな木は人里においてはときに危険な事故を引き起こすことがあるのです。このことはあらゆる樹種で言える事ですが、とりわけ楠はその傾向が顕著なのではないかと感じます。

cyofuKusunoki07.jpg

楠木はそもそも暖地の木で雪には強くありません(楠は木+南、「南方から来た木」であるということです)。また強風に対しても、楠はしなって受け流すよりも、枝を折って対処します(だから折れた部分から細菌が侵入しないよう、防虫成分を体内にためているのです)。

私の地元の公園でも、20m以上もの高さに成長した楠木の立派な枝が、大雪や強風で折れてたくさん落下して、現に被害も出ているのです。

cyofuKusunoki10.jpg
(参考画像:世田谷区の公園で雪により折れた楠。大人の腕や脚ほどもある太さの枝が山のように落ちています。)

都市の緑は原生林ではなく、我々の生活との関わりの中にあるものです。今回、地元の人々になじみ深い並木が伐採されてしまった事は残念なことですが、このくらいの大きさで伐採し、更新していくという考え方はあっていいのだと思います。

管理者は大きな木だから「保存樹木にしましょう」ではなくて、樹種ごとに異なる木の性質を良く知り、正しい知識に基づいた維持・管理をしなければならないでしょうし、私たち住人にも、楠の巨木が林立するような公園には雪の日には立ち入らない、といった心がけが求められるのではないかと思うのです。

cyofuKusunoki08.jpg

なにはともあれ、現場の方々のご協力のおかげもあり、この日の回収作業は滞りなく行われ、無事に製材所へと旅立って行きました。

スポンサーサイト

category: 街で伐られた木を活用

tb: 0   cm: 0

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。