建築と木のものづくり

街で伐られてしまう木を活かす。檜と杉の本当の魅力を提示する。いまここにあるものでつくる、私たちのこの時代、この土地ならではのものづくり。

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街の木12樹種に会えるカフェ aona様の家具紹介その2  


街の木12樹種に会えるカフェ aona様の家具紹介、桜新町の桜のテーブルです。

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Cafe aonaのメインの椅子席となる3連のテーブルは桜新町で伐採された桜の木で作りました。

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地域の人々の春の楽しみにもなっていた立派な桜でしたが、マンションの建設工事に伴い伐採されてしまいました。

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大変太い木で残念ではありますが、街の桜は大抵傷んでいるものです。「桜伐る馬鹿梅伐らぬ馬鹿」という言葉がある通り、桜は剪定によって痛みが入りやすく、かといって街中の木である以上剪定なしとはいきませんし、街中で桜の老木を維持するということは大変難しいことなのです。

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製材して人工乾燥にまで入れて出てきた木材の半分は、写真のように腐れが入っていて使い物になりませんでした。

製材屋さんも、傷んでいることを製材した時点で見抜いてそこで止めてくれれば良かったのですが、製材したての瑞々しい材は傷んでいても美しいもので、経験不足な職人さんではとりあえず乾燥させてみよう、と思ってしまうのも無理はないので仕方ないと言うべきでしょうか。

とは言え結構な費用を払って人工乾燥までした挙句、出てきたら燃やして温まるくらいしか使い道がないのでは気分は複雑です。

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乾燥が終わって工房に運んできた健康な部分。ここからどうにか3枚のテーブルの天板(と1台のちゃぶ台の天板、数台の椅子の背もたれの材)を採ることができました。

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傷んでいる部分が多く、何枚もの板を接合して天板を作らざるを得ませんでしたが、それでもその木目は大変に美しく、手間を掛けるに価するものでした。

木工の世界では基本的に桜類では外国産のチェリー、国産では山桜がほとんどで、シウリ桜、上溝桜が稀に使われるくらいなのですが、こうした街の桜もとても魅力的なので今後も活かして行ければと思います。
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category: 街で伐られた木を活用

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カフェaonaの家具紹介:エノキの大テーブル   


先日、京王線調布駅前にオープンした「カフェaona」さんでお使いいただいている街の木で作られた家具を紹介させて頂きます。

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第一弾はお店で一番大きな2mの大テーブル。材はエノキです。江戸時代に一里塚として植えられた木で、木材として使われることもある木ですが、都内の家具屋さんを巡ってエノキの家具を探しても果たして見つけられるかどうかというくらい今ではあまり使われていない木材です。

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このエノキは、世田谷区桜新町のマンション建設現場で伐られました。こんもりとした森のような敷地だったのですが、この敷地にあった木は一切合切伐られて更地にされてしまいました。

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直径は最大1.1m、これだけ大きな広葉樹(広葉樹の多くは機械の鋸で切るのも大変なくらい堅いのです)となると、製材できる製材所も限られます。色々と検討した結果、日本有数の木工の街、岐阜県高山市の馴染みの製材所から10t車に来てもらい、運んでいただきました。

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エノキのほかにも桜や山桜、夏みかん、サルスベリなど、積めるだけ積んで回収しました。

木材のプロであれば写真を見てすぐに分かることですが、このぶっといエノキも含めて木材ようの丸太としてはほとんど値がつかない丸太です。太いことがほとんど唯一の美点であり、ねじれたり枝分かれしたり欠点だらけで、木材として使うには苦労が多すぎるのです。

運び込んだ先の高山市でこれを見た人は「薪でもいらないわ」と言いました。薪にするには丸太を割って小さくしなければなりませんが、癖のある木はすんなり割れてもくれませんので、燃やせるようにするのも楽じゃないというわけです。

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なにはともあれ製材しました。桟を間に挟んで積み上げて、風通しの良いところで乾かします(自然乾燥)。

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自然乾燥をはじめてから数ヶ月、2階建ての家くらい積み上げられていた板をフォークリフトで下ろしてもらって、どんなもんかといったんチェック。

「・・・」

「あんまり綺麗じゃないね・・・(むしろ汚い・・・)」

「・・・」

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エノキ材は白っぽい材ですが、黒っぽい条が入りやすく、材それ自体を見た場合あまり美しいとは言い難いのです。

ナラ(オーク)やブナ(ビーチ)のようなナチュラルモダン調で喜ばれる感じでもなく、山桜(チェリー)やクルミのような褐色系の美しい木目で好まれる感じでもなく、メープルのように明るくキラキラして美麗な感じでもない。

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正直、どう扱ったものかとかなり悩みました。材を一部東京に持ち帰っていろいろといじくりまわしていたのですが、そうこうするうちに、どうもこれは「石」のような感じだと思うようになっていきました。

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ピカピカした石ではなく、巣の入った大理石のようなイメージ。そんな気持ちでデザインすれば、良くなるのではないか? そう考えて、このカフェの主役となる3台の大テーブルの材として採用することを決めました。

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エノキ=みにくいアヒルの子、綺麗じゃないなぁという第一印象だったエノキの評価は、今回の経験を経てまったく違ったものになりました。本当はもう一台作って自分で欲しかったのですが、木材に全く余裕がなく、それは叶いませんでした。


category: 街で伐られた木を活用

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