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カフェaonaの家具紹介:エノキの大テーブル  
2015/05/05 Tue. 00:16 [edit]
先日、京王線調布駅前にオープンした「カフェaona」さんでお使いいただいている街の木で作られた家具を紹介させて頂きます。

第一弾はお店で一番大きな2mの大テーブル。材はエノキです。江戸時代に一里塚として植えられた木で、木材として使われることもある木ですが、都内の家具屋さんを巡ってエノキの家具を探しても果たして見つけられるかどうかというくらい今ではあまり使われていない木材です。

このエノキは、世田谷区桜新町のマンション建設現場で伐られました。こんもりとした森のような敷地だったのですが、この敷地にあった木は一切合切伐られて更地にされてしまいました。

直径は最大1.1m、これだけ大きな広葉樹(広葉樹の多くは機械の鋸で切るのも大変なくらい堅いのです)となると、製材できる製材所も限られます。色々と検討した結果、日本有数の木工の街、岐阜県高山市の馴染みの製材所から10t車に来てもらい、運んでいただきました。

エノキのほかにも桜や山桜、夏みかん、サルスベリなど、積めるだけ積んで回収しました。
木材のプロであれば写真を見てすぐに分かることですが、このぶっといエノキも含めて木材ようの丸太としてはほとんど値がつかない丸太です。太いことがほとんど唯一の美点であり、ねじれたり枝分かれしたり欠点だらけで、木材として使うには苦労が多すぎるのです。
運び込んだ先の高山市でこれを見た人は「薪でもいらないわ」と言いました。薪にするには丸太を割って小さくしなければなりませんが、癖のある木はすんなり割れてもくれませんので、燃やせるようにするのも楽じゃないというわけです。

なにはともあれ製材しました。桟を間に挟んで積み上げて、風通しの良いところで乾かします(自然乾燥)。

自然乾燥をはじめてから数ヶ月、2階建ての家くらい積み上げられていた板をフォークリフトで下ろしてもらって、どんなもんかといったんチェック。
「・・・」
「あんまり綺麗じゃないね・・・(むしろ汚い・・・)」
「・・・」

エノキ材は白っぽい材ですが、黒っぽい条が入りやすく、材それ自体を見た場合あまり美しいとは言い難いのです。
ナラ(オーク)やブナ(ビーチ)のようなナチュラルモダン調で喜ばれる感じでもなく、山桜(チェリー)やクルミのような褐色系の美しい木目で好まれる感じでもなく、メープルのように明るくキラキラして美麗な感じでもない。

正直、どう扱ったものかとかなり悩みました。材を一部東京に持ち帰っていろいろといじくりまわしていたのですが、そうこうするうちに、どうもこれは「石」のような感じだと思うようになっていきました。

ピカピカした石ではなく、巣の入った大理石のようなイメージ。そんな気持ちでデザインすれば、良くなるのではないか? そう考えて、このカフェの主役となる3台の大テーブルの材として採用することを決めました。


エノキ=みにくいアヒルの子、綺麗じゃないなぁという第一印象だったエノキの評価は、今回の経験を経てまったく違ったものになりました。本当はもう一台作って自分で欲しかったのですが、木材に全く余裕がなく、それは叶いませんでした。
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category: 街で伐られた木を活用
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